長崎県小値賀島研修
はじめまして、建築事業部設計室の佐々木です。
早速ですが、年始早々とても貴重な体験をさせて頂いたのでそのご報告を!
現在、(一社)ちの観光まちづくり推進機構様が中心となって進めている事業に、弊社が設計で携わらせていただくことになり、
その一環として長崎県小値賀(おぢか)島に研修に行ってきました。
みなさん小値賀島はご存知ですか?
小値賀町の一部である「野崎島の集落跡」が構成資産に含まれる「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、
昨年世界遺産に登録されたと聞くと、“ああっ”と思う方は多いのではないでしょうか。
五島列島の北部に位置する小値賀島へは本土からは博多港か佐世保港から向かいます。
今回は茅野から電車を乗り継ぎ博多駅まで7時間、博多港から深夜フェリーで5時間かけて小値賀島に早朝4:40に到着。
町が動き出すまで小値賀港ターミナルで休憩して、最近出来た待望のパン屋「こじこじぱん」さんで朝食を食べたり、
朝市をのぞいたりして7:25発の町営船でまずは野崎島に。
野崎島にはかつては野崎・野首・舟森の三集落があり、多いときには650人前後の人々が暮らしていたそうです。
しかし現在は施設の管理者以外、ほぼ無人の状態になっています。
野崎島ではガイドの前田さんに島の歴史を伺いながら島内を案内してもらいました。
雨風で倒壊し朽ちていく家屋・集落
急斜面に石積みでつくられた段々畑の跡地
海風が吹きつける赤茶けた大地
青く澄んだ海
小高い丘に残された祈りの場であったレンガ造りの教会
五島列島独特の急陵な地形で形成されている野崎島には平地がほとんどありません。
島内を歩いていると、切り立った島を開拓し生活をしていた人々の努力や、
この島で生きていくことになった歴史的背景に自然と思いを巡らせてしまいます。
土に帰ろうとしている廃屋の一方、丘の上でかつての集落と海を見渡し建っているレンガ造りの教会は、
けっして楽ではない暮らしの中、17家族が生活を極限まで切り詰め共同生活をしながら建てた祈りの場の記憶。
信仰への想いが、教会に、島に、今なお漂っているように感じられます。
無人になった野崎島を間近で見ているから
地域おこしに携わっている小値賀島の人達は話してくれました。
野崎島を訪れるとその言葉の重みを感じます。
野崎島は今回の研修のほんの序章。
この後、小値賀島では、商家をリノベーションしたレストランや、武家屋敷、商家や民家をリノベーションした宿泊施設を視察したり、町を散策したり、活版印刷所を見学させて頂いたり、一般家庭に宿泊する「民泊」のプチ体験として、夕食の一品を民泊先のお母さんから教えてもらいながら作って、ご家族と一緒に食べたり、本当に盛り沢山の体験をさせていただきました。そして、何より、出会った方々から伺った貴重なお話がとても参考になりました。もちろんそれだけでは終わらず、夜は宿に帰ってからプランの検討!“鉄は熱いうちに打て!”です。
お伝えしたい事はいっぱいですが、もう盛り沢山過ぎてとても一度に書ききれないので、今回はこの辺で、、、!
最後に、帰ってきて数日が経ちますが、野崎島で眼にした景色が日に日に確かに心に残っていると感じます。今まで体感したことのない世界が身体の中に入ってきたような不思議な感覚。旅ってやっぱり良いですよね・・・
(※旅行ではなく、あくまで研修のご報告です!!)
今後も設計の立場から進行中の物件やプロジェクトのご紹介、ご報告をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
建築事業部設計室 佐々木